親の介護をしたくない!放棄したらどうなる?

親の介護をしたくない!そう思っていても、なかなか口に出すことはできません。

親は子がみるものだ。

そのような見えないプレッシャーを感じている方は少なくはないでしょう。

私は前職は介護士をしていました。

突然祖母の介護がはじまったのは32歳の夏。

介護職ならやり方もわかるし朝飯前ね!と周りの友人からよく言われていましたが、実際はたたかいの連続でした。

このコラムでは、筆者が体験した家族介護のリアルや大切なポイント、放棄について紹介しています。

介護をしたくない!と思っている方も、その気持ちを否定せずに、ぜひ一緒に家族介護について考えてみましょう。

介護職でもつらい家族介護

「私が祖母の老後をみる」

「祖母が最後まで安心して過ごせるように私ががんばる」

そんな献身的な思いではじめた祖母の介護。

介護施設に勤めていた私は、大好きな祖母のためならなんでもできる、という根拠のない自信を持っていました。

・・・しかし・・・

早々に限界がきたことは言うまでもありません。

家族介護は情で乗り越えられるものではなかったのです。

一日3回の服薬と食事のお世話・約1時間起きのトイレ介助・夜中の徘徊……

施設では、利用者様が安全に過ごせるようにひたすら介護に集中しますが、プライベート空間である家での介護はそうはいきません。

週2回の訪問看護、週4回のデイサービスを利用していましたが、それでも気は休まることはありませんでした。

そんな日々がつづき「もうやだ!介護なんてうんざりだ!」とすべてを投げ出したくなることも。

しかし、大好きな祖母だからこそ「介護したくない」と思うことにも罪悪感があり、さらに一生懸命お世話をしてしまう。

その循環をつづけている内に「自分の人生」ではなく「祖母の人生」が中心になり、依存につながっていきました。

もし、私自身がそのことに気づかずに介護をがんばり続けていたら、祖母が亡くなった後に、心も生活もままならなくなってしまっていたでしょう。

家族には、良くも悪くも家族ならではの関係や情があり、その上で介護をすることは大変なことであると痛感しました。

親の介護をしないとどうなる?

親の介護は子がするものだ。

世間では、このような価値観が根強く残っています。

では、本当に子供が親の介護をしなければならないのでしょうか。

法律では、子供には介護が必要な親の扶養義務があるとされています。

扶養は、病気やケガ、失業などで生活がままならない親族を経済的に支援することをいいます。

例えば、親が認知症を患い、介護が必要な状況になった場合には、親の配偶者・兄弟・子供などの近親者が支援しなければなりません。

もし、放棄をした場合は保護責任者遺棄罪で罰せられてしまう可能性も。

しかし、すべての方が親との関係がよく、介護をできる環境にあるわけではありません。

経済的な支援がむずかしい場合には、施設の入所や生活保護を受けるという選択肢もあります。

親の介護が必要になったときには、一人で抱えずにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談に行くことが何よりも大切です。

介護の方法はケアプランが元になる

要介護認定を受けると、 ケアマネジャーが介護が必要な方とそのご家族の状況を踏まえてケアプランを作成します。

例えば、要介護2の方が一人で暮らしていて、子供が週末にしか来れない場合は、訪問介護やデイサービス、見守り支援などのサービスが提案されます。

また、介護保険のサービスでは対応できないことは民間の介護サービスの利用も視野に入れることに。

このように介護の方法は、ケアプランが元となります。

だからこそ、ケアマネジャーに相談をするときには、介護をしたくない気持ちやご自身の状況なども、可能な限り打ち明けることが大切です。

とはいえ、「介護をやりたくない」とは言うのは勇気がいることです。

普通だったら「恩知らず」と言われるかもしれません。

しかし、ケアマネジャーはさまざまな事情を踏まえてプランを立てるのが仕事。

介護ができない状況や、やりたくない気持ちを否定するのではなく、常にどうしたらよいか?を考えます。

ですので、こんなこと言ってはいけないかな、と思ってもぜひお話してみてほしいと思います。

できないことをやらない勇気

親の介護を全く放棄するのは難しいのが現実です。

しかし、親の介護でも、できること・できないことを明確にすることで、気持ちの重荷が少しラクになることもあります。

私は夜中に祖母の徘徊に対応するのが一番の負担となっていました。

睡眠不足とストレスで、夜中に動き回る祖母をきつく叱ってしまったことも。

このままでは共倒れしてしまう……

私にはもうできない……

自分の限界を感じて、後日ケアマネジャーに相談をすると、ショートステイや夜間の訪問介護を紹介してくださいました。

金銭的な負担は増えましたが、夜の見守りをお願いすることで、心身にゆとりがもてるように。

また、ケアマネジャーの方に「できないこと・やりたくないことは素直に打ち明けてください。その解決法を考えて提案するのが私の仕事ですから」と言われ、力んでいた気持ちが膝から崩れ落ちるように抜けていったのを今でもよく覚えています。

家族介護は一人で抱えると苦しくなってしまいます。

老後は子供にみてもらいたいと親御さんが希望していたとしても、介護で関係が悪くなってはお互いに幸せではありません。

頼れるところはお任せする。

距離を置きながらできるところは支える。

家庭のかたちは十人十色。介護のかたちも家族によって違ってもよいのではないでしょうか。

自分の人生を中心に親の介護を考える

毎日必死に家族の介護をしていると、いつの間にか自分の人生ではなく親の人生が中心になってしまいがちです。

よく「人は変えられない」といいますが、介護においても人を動かすことはやさしいことではありません。

認知症でも病気でも親は一人の人。

親の人生を中心にしてしまうと、思うようにいかないストレスに加えて、自分の人生に対する不安がのしかかり、よりつらくなってしまいます。

「親は子供がみるものだ」

そのような価値観はそっと横に置いて、まずは自分の人生を大切にすることを軸に、介護の方法を考えてみましょう。

自分自身が健やかにいれば、家族にもゆとりを持って接することができます。

また、介護をしたくない!という気持ちの裏には、自分の人生を大切にしたい!という気持ちが隠れているかもしれません。

親と子の人生は別もの。

今の気持ちを否定せずに、ケアマネジャーや介護士の方の力を借りつつ、よりよい介護のかたちを探していきましょう。

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