親が認知症で介護が必要に!自宅で受けられるサービスは?

親が認知症で介護が必要になった場合、自宅で受けることができるサービスはどんなものがあるのでしょうか。

症状によって、また、本人や家族の希望など様々な理由から在宅介護を行うケースがあります。現在は、様々な介護サービスが充実しており、在宅介護をしやすい環境が整っています。親が認知症で介護が必要な状態になったとき、家族の負担を減らすためにも「気軽に利用できるツール」が自宅で受けられるのが介護サービスです。

この記事では、自宅で受けられるサービスをまとめていますので参考にしてみてくださいね。

在宅介護のメリットは?

まず、在宅介護のメリットはどんなところでしょうか。

本人をよく知っている家族が介護にあたる

本人が安心して過ごせることによって、認知症による混乱をできるだけ抑えられます。潜在的な本人の力を発揮することが可能になります。

大きな事故が避けられる

家族の見守りがあることで大きな事故を防ぐことが可能です。

地域とのつながりが持てる

近隣の方たちとの協力関係や、介護ネットワークとの連携があれば、本人に合ったケアが調整しやすくなります。

本人や家族にとってメリットも大きい在宅介護ですが、場合によって家族の負担も大きくなりますので、状況に応じた介護サービスを活用することを考えてみましょう。

介護サービスを利用するには

在宅介護サービスを利用するには、申請をして要介護認定を受ける必要があります。

要介護1〜5までの認定の通知を受けたら、要介護者はケアマネジャー(介護支援専門員)を決め、一緒に支援計画(ケアプラン)を作成したのち、介護サービスが利用できるようになります。

※在宅介護サービスを利用するためにケアマネージャーが要介護者を支援することを、「居宅介護支援」といいます。ケアマネージャーは要介護者に必要な介護サービスを総合的にコーディネートする役目の人で、要介護者と家族は、常にケアマネージャーに相談しながら介護生活を送ることができます。

なお、介護認定で「要支援1又は2」の判定を受けた人が利用できる在宅サービスは「介護予防サービス」と言い、ケアマネージャーは、原則として地域包括支援センターの職員が担います。

利用できるサービスも要介護者が利用する「在宅サービス」とは少し異なります。

認知症の人がよく利用している自宅で受けられる介護サービス

それでは、認知症の人に利用度の高い自宅で受けられる介護サービスをご紹介していきます。

在宅介護サービスは利用上限額が決まっているので、その枠内で生活を支えていくことが、自宅での暮らしを継続させることの大事な要件になります。他の家族やケアマネージャーさんとも相談しながら、利用できるものを積極的に活用しましょう。

訪問介護(ホームヘルプサービス)訪問サービス

在宅介護を支える中心的なサービスで、ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排せつ、衣服の着脱などの身体介護や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。

なお、生活援助でホームヘルパーが行えるサービスの範囲は法律で決まっており、同居する家族のための洗濯や調理など直接本人の援助に該当しない行為や医療行為に該当するもの、同乗運転などは基本的に行うことができません

ヘルパーに頼める作業は「平面OK、壁面NG」と覚えておくと便利です。例えば、電球の取り換えは、壁面なのでNGです。

ヘルパーは、利用者に直接対面し、生身のお付き合いをする仕事です。そりが合わなかったり、逆にこだわってしまったりといろいろこじれてしまうこともあります。

大切なことは長続きする訪問介護サービスなので、どこかに負担が片寄らないようにケアマネージャーや事業所と相談しながら知恵を出し合いましょう。

対象:要介護1〜5

※要支援1・2の人の「訪問介護」は2017年4月から、市区町村が取り組む「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」で行われています。

訪問看護

看護師や保健師を中心に、必要に応じて理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療従事者が自宅を訪問し、医師の指示のもとに療養上の世話や助言などを行います。従って、このサービスを受けるには主治医の訪問看護指示書が必要となります。

サービス内容は、症状の観察、栄養や食事の指導、口腔ケア、喀淡吸引、膀胱カテーテルの交換、褥瘡(じょくそう)の予防や処置など、利用者の状態に応じて多岐にわたります。

対象:要介護1〜5及び要支援1・2

居宅療養管理指導

医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などの医療系の専門職が自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。

具体的には、病気の予防・診断や合併症の早期発見などの医学的管理、風邪や下痢など軽症な病気に対する医師の管理、医療系ショートステイについての判断、口腔ケアなどです。

このサービスは高血圧や糖尿病、がんなどの持病がある人、リハビリテーションを必要とする人、入院入所の判断が必要な人などを対象にしています。在宅医療が進むとともにニーズが高まっているサービスです。

対象:要介護1〜5及び要支援1・2

福祉用具レンタル・購入

要介護者や要支援者の日常生活をサポートする、あるいは介護者の負担を軽減するために、介護保険が適用された価格で福祉用具を提供するサービスです。

レンタルできるもの:月々の居宅サービス支給限度額内でレンタルできるもの16品目

①車いす②車いす付属品③特殊寝台(介護ベッド)④特殊寝台付属品(サイドレールなど)⑤床ずれ防止用具⑥体位変換器⑦起き上がり補助装置⑧手すり(工事を伴わないもの)⑨スロープ(工事を伴わないもの)⑩歩行器⑪歩行補助つえ⑫認知老人徘徊感知機器⑬離床センサー⑭移動用リフト(吊り具を除く)⑮階段移動用リフト⑯自動排泄処理装置(本体部分)

※洗浄や消毒すれば他の利用者と共有できる用具

要介護1でレンタルできるものは⑧⑨⑩⑪のみに限定

購入対象のもの:福祉用具の中でも排泄、入浴などで使用するものは貸与になじまない特定福祉用具に指定(指定5品目)

①腰掛け便座(ポータブルトイレ)②特殊尿器 ③入浴補助用具(入浴用いす・浴槽手すり・入浴台・浴槽内すのこなど)④簡易浴槽(居室などで容易に入浴ができる)⑤移動用リフトの吊り具

※②と⑤は、レンタルできる福祉用具⑭⑯の直接触れる部分

但し、それぞれ介護保険が適用されるサービス対象品目は決まっています。詳しくは担当のケアマネージャーにお聞きくださいね。

対象:要介護1〜5及び要支援1・2

(※要介護度によってレンタルできない用具あり)

介護のための住宅改修

段差の解消や体を支える手すりの取り付け、開け閉めに負担の少ない扉に取換えるなど、自宅で安全に暮らすため住宅改修の工事費用のうち、9割〜7割を介護保険から支給するサービスです。

支給限度額は20万円までで、可能な工事の種類は決まっています。また、工事前に必ず事前申請が必要となります。

介護保険でできる住宅改修は、介護を目的としています。保険者に事前申請等が必要なので、どういった工事が必要なのか、ケアマネージャーや経験のある業者さんと話し合いながら行っていくことが大切です。

対象:要介護1〜5及び要支援1・2

その他の在宅サービス

簡単にそのほかの在宅のサービスを紹介します。

今は必要なくても、今後必要になるかもしれないサービスです。

訪問入浴介護

「訪問介護」による入浴介助は、自宅のお風呂を使用して行いますが、浴室の環境や利用者の心身の状態により自宅の浴槽で入浴ができない場合や、デイサービスの利用が困難な場合に利用できる、入浴装置を使ったサービスが「訪問入浴介護」です。

訪問リハビリテーション

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション(機能回復訓練)の専門職が自宅を訪問し、医師の指示のもとにリハビリテーションを行います。

また、自宅の環境に関する整備や助言も行います。

地域密着型サービス

「地域密着型サービス」は、原則としてそのサービス事業所と同じ市区町村に住む住民の人のみが利用できます。

地域密着型サービスには、以下に挙げたサービスのほかに「認知症対応型共同生活介護」(高齢者グループホーム)、「特定施設入居者生活介護」(定員29人以下の介護付き有料老人ホーム)や「小規模特養」(定員29人以下の特別養護老人ホーム)などがあります。

これらのサービスは、「施設に入居して受けるサービス」の中で詳しく紹介します。

認知症の人にとっては、どれも馴染みのある地域での介護サービスが期待できます。

少人数で地域性に合致したサービスです。

夜間対応型訪問介護 

夜間(午後10時〜翌朝6時を必ず含む時間)に、決まった時間にヘルパーが訪問する「定期巡回」。

体調の不安など利用者の通報に応じる「オペレーションサービス」。

通報を受け、緊急時に都度訪問する「随時訪問」という3つのサービスを一括して提供しています。

なお、オプションで日中の通報による対応も可能ではありますが、通常は、訪問介護やデイサービスと組み合わせることで24時間体制の在宅介護にすることが多いです。

対象:要介護1〜5

定期巡回・随時対応型訪問介護看護 

訪問介護と訪問看護が密接に連携し、24時間体制で定期的な巡回と必要に応じて訪問を行います。また、通報を受けるために常駐オペレーターが配置されています。

訪問の際に、ホームヘルパーによる入浴、排せつ、食事などの介護と看護職員による療養上のケアや診療の補助などが受けられます。

対象:要介護1〜5

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域によっては、まだ導入されていない可能性もあります。また、サービスの内容やルールも若干異なる場合があります。夜間に訪問して支援を行うということで、利用に際しては十分な理解と納得が必要かもしれません。

小規模多機能型居宅介護

認知症の人にとって馴染みの関係が作れるサービスとして、「小規模多機能型居宅介護」というサービスがあります。 

※このサービスは、「通い」を中心にしているサービスなので、「施設に通って受けられるサービス」で詳しく説明しています。

ひとつの事業所で「通い」・「宿泊」・自宅への「訪問」を柔軟に組み合わせて、在宅生活を全般的に支えるサービスです。

このサービスは、小規模多機能居宅介護のケアマネージャーによるケアプランが必要になります。

サービス内容や回数にかかわらず、利用料は要介護度別の月額定額制になります。食費や宿泊費、おむつ代、日常生活費は自己負担です。

対象:要介護1〜5

介護保険適用外サービス

在宅介護の負担を軽減する方法として、介護保険適用外のサービスを利用することもできます。

これには、自治体からのオムツ支給、寝具乾燥、民間事業者やボランティアによる見守りや生活支援、移送サービスなどがあります。

まとめ

介護には確かに苦労も多いですが、生活そのものを見直すきっかけととらえることもできます。

介護はいずれ他人事ではなくなります。 

本人がどんな在宅生活を送りたいのか、家族はそのためにどんな支援をしたらよいのか、ケアマネージャーと一緒に、必要なサービスの種類と量を決めてください。

次は「親が認知症で介護が必要に!施設に通って受けられるサービスは?」になります。

投稿者プロフィール

Mrs.マープル
Mrs.マープル
介護福祉士・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士・社会福祉士・衛生管理者・特別養護老人ホーム施設長・社会福祉法人本部長経験と、福祉業界で約25年勤務。現在は認知症グループホームでアドバイザー兼Webライター。

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