葉内部に貯水し乾燥にも強く育てやすい!薬草としても活躍するアロエ

アロエ –ALOE-


アロエベラだけじゃない!世界の様々な種類のアロエの仲間とその育て方のコツをご紹介!


暑い日が続く毎日ですが、いかがお過ごしですか?
体調を崩しやすい時期ですので、頑張りすぎず健康に気を付けていただきたいと思います。

今回の’ホッと’多肉植物は、日本人にもとても馴染み深いツルボラン科「アロエ属」の仲間たちです。
暑い夏にも強く、忙しい方でも育てやすい植物ですので、ぜひお楽しみください♪

↑旋回性のアロエ 「ポリフィラ(A.Polyphylla)」


「多肉植物」や「サボテン」と聞くと、まず「アロエ」を思い出す方も多いのではないでしょうか?

ヨーグルトや化粧品など私たちの身の回りの物にも数多く利用され、「ご近所の塀の隙間に茂っている」「 ’医者いらず’として家族が育てていた」などという経験をお持ちの方も多いかもしれません。(わが家でも昔よく祖母が葉を噛んでいました…)

↑今や日本人の生活にすっかり溶け込んでいる多肉植物「アロエ 」。何気なく街を歩いていてもふと出会うことがあります。

現在日本で食用や医薬品として使われているのは主に「アロエ ベラ(A. vera) 」や「キダチアロエ(A. arborescens)」ですが、それらをはじめ、アロエ属の多くは元々南アフリカやマダガスカルなどが原産の植物です。

↑民家の庭先などで見かける「キダチアロエ」の鉢植え

以前は500種類以上も属している大きなグループでしたが、従来の「花や植物本体などによる形態的分類」から、近年「遺伝子を用いた分子生物学的な研究」が進んだことで再分類がなされ(2013)、アロエ属は新たな6つの属に分かれて、現在やや数が少なくなっています。※1

6mを超えるサイズに成長する旧アロエ属のディコトマ(Aloe dichotoma→ Aloidendron dichotomumに名称変更。南アフリカ北西部やナミビア南部に広く自生。)この写真のように背の高い灌木状になるアロエは’tree aloe’と称されていましたが、現在このタイプの多くがAloidendron属へと分けられています。


そんなアロエですが、日本へは中国経由で鎌倉や室町時代あたりに薬草として伝来したと言われています。

中国ではすでにその数百年前からアロエを食薬両用で使用してきたという記述があり(『開宝本草』973年刊)、さらに遡ればヨーロッパの古代ローマやギリシア時代にも同様の記述が残っているそう(『薬物誌』50–70年)。

↑ゆでだこのような赤さがかわいい「バンバレニー(A.vanbalenii)」。地際に子株を出しゆっくりと地を覆うかのように育つ。


そしてアロエの記述最古のものでは、紀元前1550年頃のエジプト医学を記録した『エーベルス・パピルス』に、その薬効についてや「北アフリカではさらに昔から傷などの治療に使われている」旨が記されいるそう。

そういった歴史的な記録からも、原産地であるアフリカ周辺で太古の昔から薬として利用されてきたアロエの世界的な伝播の足跡を垣間見ることができます。

↑ 「スプラフォリアータ(A. suprafoliata)」南アフリカ原産で、平たく互生する葉が特徴。その姿から’Book Aloe’とも呼ばれる。長年かけて株が成熟したり、徒長させてしまうと葉がロゼット状に旋回し始めてしまうので、よく陽に当て締めて育てるのがおすすめ。

現在はそうした実用のみならず、「園芸」としての栽培も非常に盛んとなっています。

暑さ寒さに強く、交配が比較的容易なことも相まって新しい園芸品種が数多く作られ、世界中に愛好家が存在している植物です。※2

↑「カスティロニアエ A. castilloniae」2000年に入ってから新しく登録されたマダガスカル原産の小型アロエ。緑色〜ベージュに変化する葉のカラーと、その側面に入る艶々した赤い棘とのコントラストが魅力的。原産地では岩の割れ目などに自生しやや垂れ下がるように育つ。


育て方

アロエ属の植物は、山岳地域の草地や乾燥地帯の礫土や岩肌、または高原地帯など、さまざまな環境に適応して自生しています。

しかしその多くは概ね

・暖かい季節に成長し、冬場は休眠状態となる
・日光や風通しの良い環境を好む
・葉内部の細胞に貯水できるため乾燥に強い

という共通の性質を持っています。

一部のデリケートな品種を除けば強健でとても育てやすい多肉植物です。

↑「旧アロエ属 アリスタータ(→Aristaloe aristata) 」原産地の南アフリカでは小型アロエの代表的な存在でかつては多く自生していたが、いつからか「家に植えると雷を避けられる」という言い伝えが広まり乱獲されて数が激減したとのこと。



◾️成長期(4月下旬〜10月頃)

日本では桜が終わってしばらくした頃、気温が上がりだす4月後半あたりから徐々に成長が始まります

中心部の葉に少しずつ動きが出てきますので、徐々に水やりの頻度を増やし、成長期間中は週に1回程度たっぷりと潅水を行います。

また、日光を好みますので、直射日光を当てても大丈夫ですが、冬季を室内で過ごさせた場合は急に陽に当てると葉が痛む場合がありますので、半日陰などから少しずつ慣らしてあげてくださいね。

↑ 流れるような斑点が特徴的な「ソマリエンシス (A.somaliensis)」の夏(左)と冬(右)の姿。アフリカ東部のソマリランドとジブチに自生する種で、アフリカ東部にはこうった斑点タイプのアロエが多く見られるそう。


梅雨や真夏の高温多湿が苦手な品種も一部ありますが(高山性のポリフィラなど※3)、基本的には真夏でも成長しますので、蒸れには充分気をつけつつ風通しの良い場所で管理します。

植え替えもこの成長期に行います。
特に成長が始まる4~5月頃に行うと真夏までに根が張り、成長が良くなるのでおすすめ。

↑アロエの根は概ねこのように少し太めです。多肉植物用の水はけの良い用土がおすすめですが、草花用のふんわりとした細かな用土を多少混ぜても良く育ちます。



◾️休眠期(11月〜翌3月頃)

気温が下がり始めると少しずつ生育が緩慢になってきますので、併せて水やりの間隔をあけていき、冬場は月に1回程度様子を見ながら潅水を行います。(乾燥に強いため真冬は断水を行うことも可能です)

↑目玉のような棘が特徴の「アクレアータ (A.aculeata)」。「鬼切丸(A.marlothii)」と混同されやすいが、この棘(座の白さ)で区別が可能。大きく育っても50センチ程度の中〜小型種。

また、霜や雪の当たらない屋外であれば気温が5℃程度を下回るまではそのまま管理できますが、それ以下になる場合は明るい室内に取り込んであげてください。

品種によっては水を切らせて氷点下を耐えることもできますが、葉が痛む事も多いのでおすすめしません。


アロエの花期は主に冬(休眠前)で、薄黄色〜オレンジ、赤など明るいカラーの花を咲かせます。

株が充実していないと花芽をつけませんので、小さな苗を育てている場合は開花まで少し時間がかかるかもしれません。

しかし開花すれば比較的交配が容易で、アロエ属同士のみならず「ガステリア属」などとの異属間交配も可能です。

↑アロエとガステリアの交配種「ホワイトパール」。このパターンの交配種は 「ガステラロエ(Gasteraloe )もしくはガストロレア(Gastrolea) 」と呼ばれる(やや前者の使用頻度が高め)

交配はアイデアやタイミング次第で、これまでにない品種を自分で作り出すことができます。アロエ属は未だ交配に使われていない組み合わせも多いので、チャレンジのしがいがありそうです。

↑アロエ属同士の交配種


多くの多肉植物が苦手とする日本の夏も元気に育ってくれるアロエ属の植物たち。

園芸店などでも非常に手に取りやすく、ネットショップやオークションなどではより珍しい品種もたくさん販売されています。

育てやすいので、ぜひ探してみてくださいね!

注釈ーーーーーーーーーー

※1 Aloe属→Aloe,Aloiampelos, Aloidendron, Aristaloe, Gonialoe, Kumaraの6属となりました。

※2 薬用として使われているもの以外のいわゆる園芸品種には薬効はないそうです。

※3 旋回する葉が特徴的なポリフィラは高地に自生するため、高温多湿は苦手としますが寒さや凍結にはとても強い種です。カリフォルニアでは-13℃に耐えた事もあるそう。右回りと左回りがあります。

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ー今月のひとことー

先日、夏場という季節柄か、夜間帰宅時の玄関にてゴキ◯リと遭遇してしまい、その場を見まわして唯一見つけた武器「先の細いおしゃれ傘」を手に取っての望まぬ戦いが突如始まってしまいました。
平常心を欠いた私は愚かにも芯の定まらぬ突きしか繰り出せず、その乱打の間を華麗に縫ってGは逃走。完敗を喫してしまいました…

後日ニュースで見たのですが、ゴ◯ブリは「叩くと大腸菌などの細菌がひどく飛び散る」そうで、専用の冷却スプレーで退治するのが最適とのこと。意外にも突きが決まらなくて良かったようなのですが、以来落ちている小さな黒っぽい物におびえる日々が続いています。次の対戦に向け、早めに冷却スプレーを買っておかねばと思っています。

profile


S.K
広島生まれ広島育ち。進学先の京都で多肉植物と出会いその魅力に触れ、狭小スペースでの栽培に試行錯誤しながらも、父にもらった一眼レフカメラでそれらの栽培記録を収めるように。その後社会人となって10数年、未だ稼いだお金をせっせと緑に変え土に埋める生活が続いている。

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