葉の重なり方が特徴的!幾何学的な造形美が魅力の多肉植物クラッスラ

クラッスラ –Crassula– ①

今回ご紹介する多肉植物は、幾何学的な造形美で人々を魅了するベンケイソウ科「クラッスラ」の仲間たち!

世界中に広く自生していますが、原産地は主に南アフリカを中心にその周辺国の境界線付近、また海を越えてマダガスカル島やヨーロッパ、オーストラリアなどに計200種類近く存在しています。乾燥砂地の岩肌や、比較的雨の多い地域では木陰などに苔と共に自生し、3センチ未満の小さなものから2メートル近くの低木まで、形も大きさも様々!

↑蕾のついた「紅稚児(C.pubescens ssp.radicans)」冬季以外は緑色がかっています。関東以南であれば通年屋外でも元気に育ちます。

うち100種類以上が南アフリカに自生しており、丘陵地域などを散策すると沢山のクラッスラに出会えるそうです。交配を重ねて作り出された園芸品種を含めると更に多くの種類があり、それぞれが特徴的な形をしていてとても魅力的!
国内には昭和の初め頃から広く普及しはじめ、現在では最も手に取りやすい多肉植物のひとつとなっています。有名なものでは、昔流行した「金のなる木」も、このクラッスラ属の仲間です。

↑特徴的な葉を重ねる「茜の塔(C.capitella subs. thyrsiflora)」花が咲くと枝が間延びするので程良いところで切り戻します。

クラッスラ (crassula)とはラテン語の「crassus(厚い・太い)」を意味する言葉で、スウェーデンの植物学者によって名付けられました。
日本の暖地という環境で、お庭やベランダ、軒下にてワイルドに栽培している個人的な感覚では、この属の植物は強いものとデリケートなものがややはっきりしているという印象です。
強い品種は軒下などに露地植えしたままでも暑さ寒さに負けず、水やりの量や頻度にも寛容で、元気に脇芽を出しながら葉を増やし株を大きくしていきますが、一方で、どんどん溶けていく…!と慌ててしまうような品種も…

↑元気に枝分かれしながら育っている「数珠星(C.mernieriana cv. ’Jyuzuboshi’)」「舞乙女(C.rupestris ssp.marnieriana)」とよく似ていますが、花の咲き方で区別します。


デリケートな品種は特に夏の暑さが苦手な場合が多く、そのような種は気を付けてあげる必要があります。
しかし今回のクラッスラ①では、全て園芸店などで気軽に入手でき、強健で育てやすい品種を中心にご紹介しておりますので安心してご覧くださいね!

↑星乙女、舞乙女、小米星(姫星)、
パステル(小米星錦)、十字星、南十字星、ルペストリス

クラッスラには、その小さくて可愛らしい形から「星」にちなんだ名前の品種が沢山あります。
これら星系の品種は、相対する葉を交互に積み上げるように成長していきます。暑さ寒さに強いですが蒸れると下から葉が枯れ上がってくるので、風通しよくお水をあげすぎないよう管理してあげてください。伸びすぎて形が崩れてきたら、ほどよいところ切って整えます。どのクラッスラも、切った枝は挿し穂として殖やせます。(葉ざしは難しいものが多いです)

「花月錦 (C.ovata cv. ‘Tricolor’) 」「金のなる木(花月)」の斑入り品種です。ovataとは卵型という意味で、この葉形にちなんでつけられたようです。南アフリカの原住民(コイ族など)はこの根をすり下ろしてミルクと混ぜて食べたり、葉は薬用(葉を切り開いてイボ等に数日乗せる)として使っていたという現地の記事がありました。同じ多肉植物でいうとキダチアロエも民間療法の薬用植物として有名ですが、花月に関しては日本では鑑賞専用となったようです。

寄せ植えのなかでひときわ真っ赤に紅葉している「火祭り(C.capitella)」。
英名では「red flames (赤い炎)」といい、その名のとおり寒くなると見事な赤色に染まります。こちらも南アフリカの原住民が根を粉末にして切り傷などの薬として使用していたとのこと。

上の寄せ植え鉢左側の「若緑(C. lycopodioides var. puseudolycopodioides)」も同じクラッスラ属で、よく見るとクラッスラに特徴的な規則正しい相対葉が細かく並んでいます。どちらもとても丈夫で、暖地などでは通年屋外で元気に育ちます。

同じく寄せ植え鉢の右側にもこもこと枝垂れているのは「ブロウメアナ(C.expansa ssp.fragilis)」。微毛のある小さな葉をどんどん増やしていきます。この写真の苗は露地植えですが、雪をかぶってもものともせず、じんわりと生え広がりとても強いです。

モケモケの毛がかわいい「トランスバール(C.socialis sp. transvaal)」こちらも冬季は株全体が真っ赤に染まります。暑さ寒さに強くお水も好みますが、梅雨時の蒸れや湿気にやや弱いのでメリハリをつけて育てます。

「エレガンス(C.elegans subsp.namibensis)」。同じく、暑さ寒さに強く元気にふえていきます。5月頃枝先に小さな白~黄色い花を咲かせるのですが、お花からか本体からか、どことなくカレー粉の香りがするような…(気のせいかもしれません…)

写真右側は葉のサイズや育ち方からセダム属と間違われやすい「リトルミッシー(C.pellucida ssp.marginalis ‘Little Missy’)」。雨ざらしでも元気にモコモコとふえますが、油断して、梅雨〜夏も比較的元気なセダムと同じように夏の管理をしてしまうと、あっという間に溶けるように減っていく事も。気温が上がってきてからは少し注意が必要です。

左側は「クーペリー(C.exilis subsp. cooperi)」、こちらも関東以南では屋外冬越し可能でよく生え広がりますが、同じく高温多湿はあまり好みませんので風通しを良くしてあげてくださいね。

今回ご紹介しましたクラッスラたちは、酷暑の夏も、少し雪を被ってしまった冬も、なんとか元気に過ごしてきた苗たちです。
それぞれの個性豊かな姿はもちろん、可愛らしいお花や季節ごとの色の変化、またそのたくましさなどから、きっと皆さんのお庭や窓辺でも日々の楽しみや元気をくれる存在になってくれると思いますよ~!


-今月のひとこと-

コンビニのATMに立ち寄ったついでに酎ハイと愛犬用のジャーキーを買ってみたところ、お会計の際店員さんに「あの…こちらは人間様用ではありませんが…」と遠慮がちに言われ、犬用ジャーキーをつまみに一杯やろうとしてる人間だと思われて恥ずかしかったです…

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S.K
広島生まれ広島育ち。進学先の京都で多肉植物と出会いその魅力に触れ、狭小スペースでの栽培に試行錯誤しながらも、父にもらった一眼レフカメラでそれらの栽培記録を収めるように。その後社会人となって10数年、未だ稼いだお金をせっせと緑に変え土に埋める生活が続いている。

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