
毎日つかう靴下。靴下を脱ぐ・履くという動作は意外と大変です。
あなたの大切な人が靴下を履こうとしてバランスを崩し転倒しそうになったことはありませんか。安全に「じぶんらしい」生活を送ってほしいですよね。
介護用品で脱ぎ履きしやすい靴下が見つかります。
あなたの大切な人にあう靴下を選ぶことで、靴下を脱ぐ・履く動作が楽にできるようになりますよ。
必要な靴下の機能やおすすめする介護用品の靴下について紹介します。
介護用品の靴下とは
介護用品にはさまざまなものがあります。代表的なものはオムツや食事用のスプーンや箸などです。靴下も介護用のものがあります。介護用品は生活の質を維持や向上させます。
生活の質とは英語でQOL(Quality Of Life クオリティ・オブ・ライフ)を略した用語です。その人らしい生活を送り、いきがいをもつことを意味します。
介護用の靴下には、脱ぎ履きしやすくなっているものや、滑りにくくなっているものなど足元の状態に応じた機能がたくさんあります。
介護用の靴下は足元をサポートする大切なパートナーと言えるでしょう。
介護用品の靴下をつかうメリット
自分で靴下を履く・脱ぐ動作がしづらい方には、介護用品の靴下をおすすめします。介護用品の靴は、さまざま身体の状態に対応し生活の質を向上させます。
- 自分で靴下を履くことによって、自分でできることを維持または増やすことができる。自信が持てる。
- 家族がおこなう場合、安全にすばやくおこなうことができる。本人・介護者ともに負担が軽減される。
- 血液の循環が悪くむくみがある場合、靴下のしめつけはむくみを助長させる。足首周りのゆったりした靴下を履くとむくみを悪化させにくい。
- 足先がきつい靴下は巻き爪や足指の変形を助長させる。足先のゆったりしている靴下を履くと症状を悪化させにくい。
- いすから立ち上がるときや歩くときに転倒するリスクを軽減することができる。
介護用品の靴下を購入したら自分でできた!デイサービスで働く筆者の体験談

筆者は、介護施設内にあるデイサービスで働いています。上衣を脱ぐことはなんとかできるけど、ズボンや下着、靴下が脱げないという方をよく見かけます。座位バランスや身体の柔軟性、手先の細やかな動作がしづらくなるなどの原因で起こります。
デイサービスでは入浴があります。お身体が不自由な方は衣服の着替えをお手伝いします。ご本人のできることはお願いしながら、やりづらい動作を介助します。筆者のデイサービスでは、利用者の約5割の方へ靴下を脱ぐ動作の介助をしています。
靴下を履く動作は利用者の約7割となります。いすに腰掛けておこなうのですが、前かがみになるとバランスを崩しそうになる・身体が硬くなり手が足元に届かない、手の細かい動作がしづらい、握力の低下などの影響があります。
筆者が靴下の介助をおこなうとき「こうだったら、もっと楽に靴下を履くことができるのに」と思うことが3つあります。
1つめは、伸縮性が十分な靴下であることです。高齢者の方は、足先の爪が変形し靴下に引っかかりやすいです。また、外反母趾や足の動きが硬くなっており履かせづらいのです。
2つめは、足首の周りがゆったりしていることです。筆者のデイサービスでは、約6割の利用者はむくみやすい、またはむくみがあります。足首の周りがきついと、むくみを助長させてしまいます。
3つめは、靴下の裏が滑りにくく工夫されていることです。一年中履く方が多い厚手の靴下です。椅子から立ち上がる際、滑りそうになることがあります。対応として、立つときは靴を履いてから行う、または裸足になってから立つようにしています。
ところが、介助者が「しづらさ」を感じても、ご本人にとってつかっている靴下は普通なのです。ご本人やご家族、担当ケアマネジャーと相談しながら靴下選びもおこなうことがあります。
ある利用者様のお話です。その方の足は変形しており足幅が広いのに対し、靴下は伸縮性が不十分で本人・介助者ともに取り扱いしづらい状態でした。そして、足首のしめつけもきついため、むくみがひどくなっていました。指で皮膚を押すと硬く指の痕が残り元に戻りにくい状態でした。
ご本人へ靴下の購入を提案したところ、承諾を得られたので担当ケアマネジャーへ報告し介護用品から靴下を購入することになりました。選んだ靴下は、足首がゆったりした丈の長いタイプのものにしました。
このとき、着圧ソックスタイプのものを検討しましたが、ご本人一人では靴下を脱ぎ履きできません。足の状態に応じた機能を選ぶだけでなく、自分でできることを維持または増やすことができ自信が持てることを第一に考えました。
入浴をお手伝いする仕事もしている筆者なので、靴下の大切さを日々感じています。
靴下を脱ぐ・履くことができる方は身体能力が高く、より安全な日常生活を過ごされているからです。
靴下に必要な機能とタイプ

機能的な靴下は、数多く販売されています。そのなかでも筆者がとくに必要と考えるのは以下の機能です。
脱ぎ履きしやすい
伸縮性があるものがよいです。また、つまむ力が弱い・片手が不自由な場合は、持ち手がついた靴下を選びましょう。持ち手をつかうと、かかとが引っかかりにくいです。とくに、靴下を履くときに役立ちます。
しめつけにくい
しめつけのきつい靴下は、むくみやすい方には向きません。足首周りのゆったりした靴下を選びましょう。しめつけがきつい場合は、むくみを助長させてしまいます。
むくみが強い方は、ひざ下までの長さの靴下を選ぶとよいでしょう。
滑りにくい
靴下を履き、畳やフローリングの上を歩くと滑りそうになります。靴下の底面に滑り止めがついたものを使用すると、踏ん張りやすくなり、転倒防止につながります。
特に、冬用の靴下は滑りやすいです。滑り止めつきの靴下は必須です。
冷えにくい
「足が冷えて寒い」とおっしゃる方が大半を占めます。靴下を2重に履く・レッグウォーマーを併用、あるいは下着を3枚履くなんていう方もいらっしゃいます。靴下や下着を何枚も着込むと脱ぎ履きがしづらくなります。
靴下はシルク素材の二重編みパイルソックスや毛混ソックスを選びましょう。足首はゆったりしているか確認してくださいね。また、レッグウォーマーを併用している方は、丈の長いタイプの靴下を選ぶと取り扱いがしやすいです。
介護用品はどこで買えるの?
靴下はスーパーや衣料販売店で購入されている方が多いです。かわいい柄・厚底の靴下、滑り止めがついている靴下など、いろいろなタイプの靴下があります。
いま履いている靴下より、あなたに合う靴下を見つけることができるお店があります。じつは、介護用品を取り扱っているお店であなたに合う靴下が見つかります。
介護用品は、介護福祉用具販売店や衣料品店の介護用品コーナーで購入できます。ほかには、インターネットでも購入できます。
まとめ|介護用品の靴下はおすすめ
高齢者や障害がある方にとって、靴下を脱ぐ・履く動作はやりづらいです。介護用品の機能的な靴下を検討してください。
それまで、「靴下は手伝ってもらうもの」と思っていたのが「自分で靴下は履ける」ものに変わります。また、足先をサポートしてくれる靴下を履くと、歩くとき足先が引っ掛かるのを軽減します。
さまざまな悩みに寄り添ってくれるのが介護用品の靴下です。安全に靴下を脱ぐ・履けることは、「じぶんらしい」生活を送る第一歩となります。

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