リプサリス –Rhipsalis–

暖かい季節になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今回ご紹介する’ホッと’多肉植物は、室内でも安心して育てられる、サボテン科「リプサリス属」の仲間たちです。
見た目が面白く、とても育てやすい植物ですので、ぜひのんびりとご覧ください!

リプサリスは細く柔らかい多肉質の茎葉を枝分かれさせながら成長していく姿が一般的で、「リプサリス rhipsalis 」という名前もその姿(ギリシャ語で リプス rhips : 編まれた藤細工やマットなどを表す)に見立てて付けられたと言われています。
海外では、同じくその見た目から「スパゲッティカクタス/spaghetti cactus 」という愛称でも親しまれています。

リプサリスは主にブラジルを中心とした南米や、アフリカ、東アジアなどの森林地帯原産の植物で、樹木の幹や岩に付着して生きる「着生/岩生植物」の一種です。
暑さや寒さ、また多くの多肉植物が苦手とする多湿にも強く、水量や光量にも比較的寛容なため、とても育てやすく観葉植物としても人気があります。(着生植物ですが、通常の草花と同じように鉢植えで管理が可能です。)
お庭やベランダだけでなく、おうちや職場の窓際などでも育てられるので手に取りやすい植物です!

成長はゆっくりですが、リプサリスの多くは育つごとにだんだんと長く枝垂れてきます。その場合は上の写真のようなハンギングなどで吊るして管理するのもおすすめ。
●育て方●
原産地では熱帯雨林のような高湿度の密林から、日当たりや風通しの良い開けた丘陵地域、また海抜2500mmほどの高地まで、かなり幅広い環境に適応して自生しています。
ですので、おうちで育てる際も置き場は ’20%ほどに遮光した屋外〜室内の明るい窓辺まで’と、比較的自由度の高い植物です。
(真夏の直射日光と冬場の雪や霜には気をつけてくださいね。)

森林に育つものも多いため空中の湿度は好みますが、鉢の中が長く湿気ていると根腐れしやすくなります。
根はとても細いので、多肉植物用などの細かめで水はけの良い用土を使って植え付けてあげてください。
また湿度は好んでも風通しは必要ですので、長い間締め切るようなお部屋での管理は避けたほうが安心です。

暑さ寒さには強く、暖地のわが家では通年屋根のある屋外の棚で栽培しています(40°~ -4°)。
しかし品種によって多少性質に差がありますので、念のため特に冬場は5°近くまで気温が下がる前には室内に取り込むことをお勧めします。
真夏と真冬には生育が鈍りますので、その時期だけは水やりもかなり控えめに、月に1回程度軽く与えます。
かなりの乾燥にも耐えますのでおもいきり控えても大丈夫です。
(その時期を快適な室内で過ごさせる場合はこの限りではありません。下記の生育期に準じた方法で管理されてください!)

真夏と真冬以外の生育期は週に1回ほど、茎葉の様子を見ながらたっぷりと潅水してください。お水が足りないと茎葉にシワが寄ってきますので分かりやすいです。
茎葉がぷっくりしていればお水が足りている証拠ですが、節と節の間がやけに間伸びしているようだとお水のやりすぎ、もしくは日光が足りない可能性があるので気をつけて観察してみてくださいね。

ちなみに、生育期なのにお水をやってもシワシワが取れない場合は根詰まりの可能性があります。ひとまわり大きめの鉢に植替えてあげてください。植替えは春がおすすめです。

多くの品種は春ごろに花を咲かせます。花色は白や薄桃、橙など様々なタイプがありますが、流通量の多い品種では白〜オフオワイトカラーが一般的です。
また基本的には自家受粉も可能なので、花の後には白や緑、濃桃色などの丸い実がつく事があります。
実の中にはとろりとした果肉と共に小さな種が詰まっており、これを蒔いて育てることも可能ですので、実が付いた際はぜひ種まきから楽しんでみてくださいね! ちなみに果肉はよく熟したものだと甘い味がするそうです。
(※品種によっては完熟しても苦いものもあるとのこと。私は食べた事がありませんが…機会があればそちらも挑戦してみてくださいね^^)

リプサリスは節と節の間をカットすることで挿し木ができます。ほどよい長さのところでカットして乾かし、清潔な用土に挿しておくと根が出てまた新たな株ができますので、こちらも気候の良い春にお試しください。
繁殖方法はこの挿し木が一般的です。

リプサリスは街の園芸店でも入手可能なところが多く、ネットショップやフリマアプリなどではリーズナブルなカット苗で販売されたりもしています。手に取りやすく育てやすい植物で、見た目も個性的なので、お好みの鉢と一緒にお部屋で育てるのも楽しいですね。
これから栽培に良いシーズンです。その可愛さとたくましさにぜひ癒されてみてください!

-今月のひとこと-

読みたかった本が最近’ kindle unlimited ‘という定額制の書籍読み放題サービスに沢山でていたので、思い切って入会しました。
早速、スマホの使い過ぎに警鐘を鳴らす『スマホ脳』という本をスマホで読んだり、『後回しにしない技術』という本をダウンロードしたまま読むのを後回しにしていたりなどするのですが、それにしても沢山の本をどこにいても読むことができて、まるで図書館を持って歩いているかのような気分で最高です!!