在宅介護を無理せず続けていく方法|在宅介護の秘訣 教えます!

介護の豆知識

在宅介護を無理せず続けるには、どのような心がまえ、または準備が必要なのでしょうか。匿名であることを条件に、実際の介護体験を語ってもらいました。

在宅介護のストレス

在宅介護をしている人の多くは途中で疲れてしまう、精神的なストレスからうつ病などを発症することは聞いていましたが、実際やってみると話に聞いていた通りで、それ以上の苦労を強いられることもありました。
ただ、眠ってくれている間は気が休まる時間。この時間を利用して家の中のことができます。趣味に没頭できるだけの余裕はないけれども好きな音楽を聴いたりするだけでもゆったりとした気持ちになれました。

在宅介護は、休む時間もなく、介護状態によっては1日中付き添わなければならないため、自分の時間をとることが難しくなります。私の場合、母が認知症になったため、常に気にしていなければならず、無理だと感じる瞬間が訪れました。

「時間の余裕がなくて無理」
「体力的に無理」

時間的な負担が大きいのはもちろん、体力的な負担を感じて、「無理だな」と感じこともゼロではありません。日常的な介助の動作においても体力を使うので、スタミナや筋力がないと難しいです。
起き上がり・着替え・立ち上がり・ベッドから車椅子に移すとき・歩行・入浴および清拭・寝返り・排泄処理など、体重も同じくらいの大人を介助するというのは本当に大変でした。また、体力の負担だけでなく、毎日何回も介助を行っていると、自身の腰や足に痛みがでるなどの支障もでてきました。でもやるしかない…。

なんとか自分の体をだましだまし介護を続けていましたが、ある日友人に素敵なことを教えてもらいました。

「ボディメカニクスって知ってる?」

友人に教えてもらったボディメカニクスとは

ボディメカニクスをご存知ですか?私は友人に教えてもらって初めて知ったのですが、ボディメカニクスとは、人間の関節・筋肉・骨が動作するときの力学的関係を応用したもので、介助による体力消耗を減らし、最小限の力で介助ができる技術です。

例えば、介護者の腕を自分の方に回してから、自分は膝を落としてなるべく重心を下げるようにします。この状態で、両腕を相手の背中に回します。そのあとで、相手に前かがみの状態になって貰って一緒に立ち上がります。立ち上がった際に相手の重心線が支持基底面に収まっていると姿勢が安定するので力を使わずに介助ができます。最初は、このような手法を、文章を読みながら実践しようとしましたが、文章だと良く分からない部分もありました。

そこでネットの動画サイトでボディメカニクスを検索したところ、色々な動画が掲載されていたのでそれを見ながら行うと簡単にできました。動画は細かな部分まで分かりますし、停止ボタンを使えば途中までの流れを反復練習ができるようになるので便利です。

体を楽にする技術を身に着けることも重要だけれど・・

介助技術を覚えたことで体が楽になり、無理だ無理だと思っていた在宅介護も続けていけそうだと自信になりました。
時間や体力的な負担が続きつらいと感じてしまうこともありますが、ひとつずつ自分の状況を改善する方法を考えることが大切だと感じます。

しかし、「こんな生活がいつまで続くんだろう」という心理的な負担は改善方法を考える力も無くすことがあります。そんな時は介護サービスに頼って自分の時間の確保や負担の軽減をしたらいいと思います。スポットで使うこともでき、負担が減るだけでなく精神的なストレスも改善されるようになりました。
介護は始まったころは、サービスを使わずに自分で何とかしようと考えていましたが、プロに頼める部分は利用することも大切ではないでしょうか。

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