センペルビウム -Sempervivum-
遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
今年も、介護をされている方、介護でなくともどなたかのケアを頑張っておられる方、ご自身のケアに取り組んでおられる方、いろいろな皆さまにとって少しでも穏やかで幸せな一年になりますよう、お祈りしております。
多肉植物を通じて、わずかながらでも暮らしの楽しみ発見や気分転換のお手伝いができますように!

さて今回ご紹介する多肉植物は、とっても育てやすいベンケイソウ科「センペルビウム属」の仲間たちです。
緑色の地肌に濃い赤紫色の模様が入るものが一般的で、こんもりとしたロゼット形に葉を広げます。
育っても1頭数センチ程度の小柄な体つきでお花のような可愛らしさながら、非常に寒さに強く、よく増え、多くは通年屋外でも管理ができるので気負わずに栽培できる植物です。

原産地は主にヨーロッパなどの山岳地帯で、約40種が知られています。標高が高く、時期によっては気候の変化も大きな厳しい環境。
そのような山地の、日当たりの良い岩場などにまとまって自生しています。

高地(寒冷地)に適応した性質のため、日本では北海道(−15℃程度)でも野外露地植え栽培が可能なほどタフなセンペルビウム。雪を被っても大丈夫です。
乾燥にも強く、お水や用土が少なくても耐え生き延びる事ができます。
その強健さから「semper(常に)vivus(生きる)=永遠に生きる(ラテン語)」と名付けられたほど。古代ローマ人はこの不老不死にも思えるような植物にあやかり、死者の魂に祈りを込め墓地をセンペルビウムで飾ったのだそうです。
●育て方●

育て方は他の多肉植物同様、水はけの良い用土に植え付け、2週間に1回程度の灌水を行います。
露地栽培の場合の水やりは天候に任せますが、あまりに雨が降らないようであれば様子を見て潅水を。
直射日光にも耐えますので、通年よく陽の当たる場所に置いてあげてください。

タフな植物とはいえ真夏と真冬は生育が鈍るので、その時期の灌水は様子を見ながら月1回程度。乾燥気味に管理します。
また寒さや乾燥に強いぶん、真夏の暑さや、特に’蒸れ’は苦手とします。移動できるならその時期だけは少し風通し良く涼しい場所に避難させてあげると安心です。
屋外に植え付ける場合も、あまり得意ではない真夏と梅雨時期のことを加味し、水や空気が溜まりにくい場所を選んであげてください。ロックガーデンなどがおすすめです。

前述のとおり冬場もかなり低い温度まで耐えることができますが、不死身ではありませんので、早めに水やりを控えたり、あまりに寒そうな日は念のため寒風に当てないなど、少し気を付けてあげるといいかもしれません。

寒い冬を乗り切った後、春には「ランナー(ライナー)」と呼ばれる匍匐茎を株の周りに盛んに出してその先に仔株を付けます。
それぞれの仔株はまた各々ゆっくりと根を下ろして成長していくので、株によっては一気に大家族に。

ちなみに、跳ね上がって用土に付かないランナーの仔は枯死する事があるので、確実にふやしたい場合はU字形にした小さな針金でランナーを用土に固定してあげるなど工夫してみてくださいね。
植え替えは生育が旺盛な春や秋がおすすめです。
成長して株が混みあってきた場合も、多少カットして風通しを良くすると枯れこみを防げますので、蒸れやすくなる梅雨~夏前ごろにお試しを。カットした方からもまた根が出ますので挿し穂として使えます。

花期は梅雨の終わり~初夏ごろ。ロゼットの真ん中を長く伸ばして白~薄桃~濃い桃色の花を咲かせます。

しかし開花率はあまり高くなく、数種類を育てて1苗咲くか咲かないかくらい。
また「一稔性」といって、花を咲かせた株は枯死してしまう性質を待ちます。といっても株全体ではなく「花が咲いたロゼットだけ」なので、ランナーでしっかり仔株がふえていればその他は安心です!

ベンケイソウ科らしく、季節ごとに色柄や姿がかなり変化するのも特徴的です。
寒さや日差し、乾燥などが強いと濃い赤紫色に紅葉し、株の個性や特徴がよく出てきます。一方で気温や湿度の上がる梅雨から夏場にかけては全体的に緑色がかります。
また、水分の減少や寒さなどにより体がギュッと縮こまり、同じ植物とは思えないような姿になる事も。
一見「枯れてしまうのかもしれない…」と思えるような姿ですが、過ごしやすい時期が来れば、またゆっくりと葉を広げてくれるはずです。

可愛らしい姿ながら、強健であまり手のかからない逞しいセンペルビウム。
忙しい生活のなかでもマイペースに育てられ、またその強さから生きる勇気をもらえるような、素敵な多肉植物です。
ホームセンターや園芸店はもちろん、ダイソーさんなどでもたまに取り扱いがあります。ぜひ覗いてみてくださいね❁
ー今月のひとことー

何話か前の回で「五時半起きの朝活太極拳に励んでいる」と揚々と語ったのですが、もうすでに参加できていません..ごめんなさい…寒いんです朝が…全然起きられません..ごめんなさい…でも冬は..長めに寝たほうがよい季節らしいので…(東洋医学マメ知識)