セネシオ セネキオ -Senecio-①



 今回のご紹介は、キク科のセネシオ(セネキオ)属の仲間たち。

 この属の植物は世界中に広く分布していて、なんと約1200種類*もあり、開花植物としては最大のグループのひとつです。草姿も多種多様で、そのなかには多肉質ではない通常の草花も含まれますが、こちらでは多肉植物としてのセネシオの仲間たちをご紹介していきます!

※現在うち20種ほどは97年に新しくつくられたCurio(クリオ)属に新分類されています。


 園芸店や多肉植物の寄せ植えなどで大人気の「グリーンネックレス(緑の鈴)」。海外では’string of pearls ‘ という名で広く知られています。その名の通り真珠の首飾りのような葉と茎をどんどん伸ばしていく面白い植物です。
少し葉を細長くした「三日月ネックレス」という品種もあります。そちらは英名通称’string of banans’。

 あまり陽が強すぎたりお水が少ないと株元から枯れ込むのでご注意を。その場合は元気なところで切り戻して挿し木が出来ます。



葉や茎が全体的に赤くなる「ルビーネックレス」。こちらもシワシワしやすいので、同じく週に1回程度お水をたっぷりと。屋外の雨晒しで育てておられる方も多いです。



斑入りの品種もあります。葉緑素がマーブル模様に入り混じり、葉先だけツンと尖る「エンジェルティアーズ錦」。陽によく当たったり寒さが増してくるとややピンクに色づき可愛らしい印象です!



こちらはまるでイルカが元気に飛び跳ねているかのような「ドルフィンネックレス(ペレグリヌス)」。2017年、日本のSNS投稿から人気に火がつき、あまりの可愛らしさに世界的にもよく知られるようになりました。
これら紐系のセネシオは通常の多肉植物よりやや肥料も好みますので、様子を見ながら水やり同様、頻度を増やしてみて下さい。

グリーンネックレスの花。昔懐かしい’吹き戻し’おもちゃのようなピロピロがかわいい。



ちなみに愛好家の間では「セネキオ?セネシオ?」と、呼び名についての疑問がしばしば話題にのぼりますが、植物の学名表記を行う古典ラテン語ではセネキオ、現在の世界的にはセネシオ(セニースィオ)と発音されていることが多く、どちらを使用しても問題はありません。(今回は現在の使用者数の多さから’セネシオ’表記を優先しました。)
そもそもの属名’Senecio’とは、古いラテン語で’老人’という意味。多くの品種が、開花後にふわふわした白い綿毛のような種子ができる事からそう名付けられたと言われています。



楕円型の茎を重ねるように育つ「七宝樹」。写真は葉が斑入りカラーの「七宝樹錦」です。上のドルフィンネックレスは、この七宝樹と冒頭のグリーンネックレスの交配種と言われています。暑くなると葉が落ちますが、冬頃にはまた茎の上部を中心にかわいい葉を出します。ある程度育つと茎に長さが出始め、横倒しになり這うように広がっていくことも。



 「マサイの矢尻」内巻きのとんがり葉先がまさに矢尻のような品種。脇芽や地下茎を出しながら横に広がりつつも、木立のように成長していきます。



茎がお庭の畑に転がってそのまま育ってしまったマサイの矢尻。上の写真と元々は同じ苗です。
多肉植物はどれもそうですが、季節ごとの差だけでなく、日光が弱かったり土壌の水分が多いと同じ品種とは思えないほどに葉の色や姿形が変わってきます。
今回は矢尻というよりマサイのおたまに…(マサイ族もおたま使うのでしょうか…?)



写真右下は斑入り種の「グリーンネックレス錦」。斑入り品種の場合、育つにつれて斑入りではない通常葉が出てくると、そちらばかりが伸びはじめ斑が徐々に消えていってしまうので、斑入りを維持したい場合は斑のある部分までこまめに切り戻します。

 今回ご紹介したセネシオの仲間たちはどれも葉挿しが難しいので、ふやすには伸びた茎や脇芽のほどよいところをカットして、挿し穂にします。
あまりの暑さは苦手ですので蒸れすぎたりひどく直射日光が当たりすぎないように。また基本的には強健で育てやすい植物なので、北関東あたりまでであれば通年屋外栽培でも育ってくれます。ですが特に紐系の品種は屋内南側の窓辺などでも乾燥が防げ元気に育ってくれると思いますよ!

-今月のひとこと-



この夏もなんとか生きのびましたが…皆様も元気でお過ごしですか?
暑さ寒さも彼岸までと申しますが、この時期のお花といえばまさに「彼岸花」。
「曼珠沙華」という別名でもおなじみですが、もともとは中国原産の植物でありながら今では日本各地にすっかり根を下ろし、その呼び名は地域の通り名を含めると国内だけで1000通りを超えるほど!
原産地中国での呼び名は、もともと’石地のニンニク’を意味する「石蒜(シースァン)」をはじめいくつかありますが、日本の「彼岸花」という名前がかっこいい!と若者らによって逆輸入され、今ではそちらが定着しつつあるという面白い話もあります。
韓国では꽃무릇(コンムル)と呼ばれますが、花が散ったあとに葉が出てくるというこの植物の特性を、会うことの叶わない悲恋に見立て ’花は葉を想い、葉は花を想う’「想思花(サンサファ)」という素敵な通称で呼ばれることもあります。
一方欧米ではまさにその見た目から「レッドスパイダーリリー」と呼ばれており、同じ花でも国や地域によっていろんな名前や逸話があっておもしろいなぁと感じています!


*次回更新予定*
10月5週目(10月26~30日)

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S.K
広島生まれ広島育ち。進学先の京都で多肉植物と出会いその魅力に触れ、狭小スペースでの栽培に試行錯誤しながらも、父にもらった一眼レフカメラでそれらの栽培記録を収めるように。その後社会人となって10数年、未だ稼いだお金をせっせと緑に変え土に埋める生活が続いている。

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